社会保険労務士法人LEC LEC SOCIAL SECURITY&LABOR PROFESSIONAL CORPORATION
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社労士って何だろう?(60歳以上高齢者の最適賃金)

第4回目は、60歳以上高齢者の最適賃金のパート2です。

【在職老齢年金と高年齢雇用継続給付の徹底活用を!】
前回の続きですが、60歳以上の高齢者従業員の雇用維持・促進のため、厚生年金の在職老齢年金や雇用保険の高年齢雇用継続給付制度があります。
しかし、ご存知の通り、給与と老齢厚生年金、高年齢雇用継続給付金が単独でもらえる訳ではなく、この3つの収入は、複雑な計算式によって互いに調整されております。

この制度をいろんなお客様で提案しますと、多くの会社の社長または総務責任者の方はご存知ですね。 しかし、「制度の概略は知っているが、では具体的にどうすればよいのか」とほとんどの方がおっしゃられます。

従って、今回は、もう少し具体的に説明したいと思います。

(1) まず、給与と在職老齢年金が調整されます。
(調整の計算式は前回を参照下さい。)
(2) つぎに、在職老齢年金と高年齢雇用継続給付金が調整されます。
そこで、高年齢雇用継続給付金がもらえると、在職老齢年金が支給停止となります。

在職老齢年金の支給停止額は、次のとおりです。
60歳到達時の賃金月額を基準にして60歳以降の標準報酬月額の割合に応じて
標準報酬月額の6%相当額を限度額に在職老齢年金がさらに支給停止されます。
  1. 標準報酬月額の割合が61%(改正前64%)以下の場合
    標準報酬月額×6%
  2. 標準報酬月額の割合が61%〜75%未満の場合
    標準報酬月額×標準報酬月額の割合に応じて6%より逓減した率
従業員の“60歳到達時の賃金月額” “生年月日” “年金額”が分かれば、 在職老齢年金と高年齢雇用継続給付金が最も多くもらえる『最適給与』額を逆算することができ、 次の『60歳到達時賃金と最適給与額の比較』の提案をすることができるのです。

これらの提案によって、従業員、会社にどのようなメリットがあるのでしょう?

【従業員】
60歳定年後の給与に対し、高年齢雇用継続給付金がいくらもらえ、在職老齢年金がどのくらい減額されるのか事前に明確になります。これまでは、決定した給与に対して、高年齢雇用継続給付金、在職老齢年金のもらえる金額は全てが結果であったと思います。

【会社】
国の制度を最大限活用することにより、人件費が、1人当り、年間100万円以上削減することができます。

【60歳到達時賃金と最適給与額の比較】
下記は、山田太郎様(仮名)の60歳の賃金と最適給与額を比較した場合、
本人手取額と事業所人件費の比較明細です。

【本人手取額比較】
項目 従前 60歳請求時から
月間 年間
新・給料 月・差額 年・差額額 賞与補填 年・差額額
課税支給額 320,000 209,000 -111,000 -1,332,000 300,292 -1,031,708
非課税支給額 0 0 0 0   0
支給額合計 320,000 209,000 -111,000 -1,332,000 300,292 -1,031,708
健康保険 -13,120 -8,200 4,920 59,040 -20,370 38,670
介護保険 -1,776 -1,110 666 7,992 -1,664 6,328
厚生年金 -21,728 -13,580 8,148 97,776 -12,300 85,476
雇用保険 -2,240 -1,463 777 9,324 -2,102 7,222
社会保険計 -38,864 -24,353 14,511 174,132 -36,436 137,696
所得税 -12,010 -6,610 5,400 64,800 -21,108 43,692
住民税     0 0   0
その他控除     0 0   0
控除額合計 -50,874 -30,963 19,911 238,932 -57,544 181,388
差引支給額 269,126 178,037 -91,089 -1,093,068 242,748 -850,320
継続給付金 0 25,160 25,160 301,920   301,920
在職老齢年金 0 45,700 45,700 548,400   548,400
基金年金 0 0 0 0   0
手取額 269,126 248,897 -20,229 -242,748 242,748 0

【会社人件費比較】
項目 従前 60歳請求時から
月間 年間
新・給料 月・差額 年・差額額 賞与補填 年・差額額
課税支給額 320,000 209,000 -111,000 -1,332,000 300,292 -1,031,708
非課税支給額 0 0 0 0 0 0
支給額合計 320,000 209,000 -111,000 -1,332,000 300,292 -1,031,708
健康保険 13,120 8,200 -4,920 -59,040 20,370 -38,670
介護保険 1,776 1,110 -666 -7,992 1,664 -6,328
厚生年金 21,728 13,580 -8,148 -97,776 12,300 -85,476
雇用保険 3,360 2,195 -1,166 -13,986 2,102 -11,884
社会保険計 39,984 25,085 -14,900 -178,794 36,436 -142,358
所得税 12,010 6,610 -5,400 -64,800 21,108 -43,692
住民税 0 0 0 0 0 0
その他控除 0 0 0 0 0 0
合計 51,994 31,695 -20,300 -243,594 57,544 -186,050
人件費等計 371,994 240,695 -131,300 -1,575,594 357,836 -1,217,758

山田 太郎様の給与を「209,000円」にすると、給与、在職老齢年金、高年齢雇用継続給付金を 合わせた手取額は、「20,229円」減少しますが、 その分を賞与として「300,292円」補てんすることで、年間手取額を同じにすることができます。 この場合、会社の福利厚生費を含めた人件費は、年間で「1,217,758円」の負担を減少させることができます。

注1) ご本人様から提供された資料に基づき試算しております。 よって、記載されている金額等について、実際と異なる場合があります。 その際は、当方は一切責任を負いません。
注2) 住民税、労災保険、児童福祉手当は計算の対象としておりません。
注3) 手取額が変わらないとはいえ、従業員にとっては収入の入り口が3つになりますので、 各制度をよく理解し、しっかり説明し、労働契約を明確にしておくことを おすすめいたします。

名古屋事務所 ・ 福田 剛年

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