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「誓約書」の効用と限界

最近、人事 ・ 労務に関するトラブル防止という観点から、誓約書を有効に活用しようという動きが広まりつつあります。たとえば、従業員の入社に際し、[1] 就業規則の遵守、 [2] 人事異動 (配転 ・ 出向) に関する同意、 [3] 守秘義務などに関する条項を盛り込んだ誓約書を提出させるといったやり方です。

これからもうかがえるように、誓約書の条項は、すでに就業規則に盛り込まれていることが多いと思われます。しかし、就業規則だけでは、実際に従業員に対する徹底という点では弱いと考えられますし、万が一トラブルが発生した場合にも、誓約書の存在は、企業側の利益を守る有力な証拠となります。したがって、従業員に徹底したい重要な事項については、就業規則に明記するのみならず、それを盛り込んだ誓約書を従業員から提出させるようにすべきです。

ただ、ここで注意しなければならないのは、誓約書と言えども決して万能ではないということです。たとえば、「配転命令に対しては、一切異議を述べません」と誓約させたとしても、個々の配転命令があまりにも理不尽であれば、配転命令権の濫用と評価されて、誓約書の拘束力も否定されてしまうでしょう。企業経営に携わる方々は、このように誓約書にも限界があるということも忘れないでほしいと思います。

東京事務所 ・ 滝 則茂


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