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退職金制度(最終回)
私は前回のコラムで、「退職金制度は維持すべき」と述べました。この意味は、現状の制度を維持すべき、ということではなく、金額を縮小してでも退職金制度そのものを残すことが大事ということであります。
バブルの時期に創設した退職金規程に基づく退職金額をそのまま維持すべきというのではありません。
これまでの連載で退職金の生い立ちから変遷を追ってきたわけですが、退職金制度の起こりは「長期年功的」な側面を考慮したものでした。
すなわち、長く会社に勤めてくれれば会社もあなたの労に報いますよ、という性格だったのです。
しかし、現在は社会情勢が一転しました。厚生労働省の統計では大卒の実に3割の人が入社後3年以内に転職している状況であります。
このような労働価値観の現在において、中長期的な退職金制度を設けておく必要があるのかというと、はたして疑問であるという声もよく聞かれます。
しかし、中長期的雇用慣行はいまだ残っているわけですし、労使トラブルが起きた場合の金銭解決では、退職金制度が大きな役割を果たしてくれる事案を私自身これまで経験して参りました。
いわゆる「解決金的な側面」ないしは「手切れ金的側面」です。退職金とはこのような側面もあるのです。
あるいは、職能ポイントを累積し、10年後に一旦慰労金として清算する、というような短期的な慰労金制度を設けている企業もあります。
現在の退職金制度を見直す必要はありますが、社会情勢に即した内容にスライドしていくことが大切と思われます。
名古屋事務所・伊藤 悟
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