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退職金制度の変遷とこれから(1)

退職金の源流をたどると、江戸時代の商家の慣習として、長年勤めてきた奉公人に対する「のれん分け」制度が始まりだと言われています。さらに時代が下り、明治時代の初期における発展途上の資本主義の中で、富国強兵策をとり、国を挙げて産業を振興させる時代にあっては、企業にとっては、労働者の技能を向上させ、定着を図ることが課題でありました。そのため、労働力の確保の一環として退職金制度が定着を始めたのであります。大正時代になると、これはさらに広い労働層まで対象が及び、さらには、戦後の終身雇用制ともあいまって勤続年数に応じて累進的に増額していくしくみの退職金制度が一般化したわけです。

現在にあっては、多くの企業が退職金制度を導入済みでありますが、最近は終身雇用システムが徐々に崩れてきており、若年層の勤労意識をみても、一つの会社で勤め上げるという価値観から、やりたい仕事につく=転職をいとわない、という考え方が増えつつあるように見受けられます。このような時代にあっては、退職金制度自体も、勤労者の価値観にあわせた制度に変更していく必要があるのです。

次回から、具体的な退職金制度の変更方法について述べていきたいと思います。

名古屋事務所・伊藤 悟


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